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手探り。

半ば絶チル感想ブログ。

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暇潰し。 

キャシャーン7話の出だしにキュンときたので刹那と姫でパロってみた。下に畳んでます。
後半のヤンデレ姫も書こうか書くまいか迷った挙句、ぶつ切りで逃亡。


…全然関係ないですけど、今改めて一期前半のOPを聞いてみると、吃驚するくらいに歌詞がマリナから刹那に宛てたものに聞こえるんですよね。

『ねえこんな形の手しかなかったの? 悲しいね
貴方に死んでも殺めて欲しくもない お願い』


曲調は後半やセカンドシーズンのOPの方が好きなんですけど、歌詞はこっちのが本編と合ってて良いなと思うのですよね。一期前半EDの『罠』の歌詞も荒み具合がマイスターの境遇にマッチしてて好きでした。
 
 
刹那の前に降り立ったのは、一人の美しい女だった。
透き通るように白い肌、包み込むような温かさを感じさせるマリンブルーの瞳、埃の混じった風に遊ばれながらも艶を落とさない漆黒の長い髪。
元は純白だったのであろうワンピースを砂や鉄錆びで煤けさせたみすぼらしい格好も、穏やかな月の光のような彼女の魅力を完全に殺いでしまうことは出来ないでいた。

「貴方、」

女は、指を、そっと刹那の方に伸ばす。
刹那は戦慄した。その指があまりにも細くて、白くて、簡単に壊れてしまいそうで。
そんなに綺麗で脆い指で自分に触れて欲しくない。自分は壊してしまう。見るもの、見る人、見るロボット。みんなみんな、壊してしまう。
強い自責がその指から刹那を後ずさらせた。
そんな刹那に、女は何かを悟ったように少し驚いた顔をして、悲しそうに手を引く。

「――ごめんなさい」

俯いて謝る女は、傍目には未だ滅びの兆候が見られない美しい肢体を持っている筈なのに、刹那には今すぐ滅びに飲み込まれてしまいそうな程に儚く映った。





カン、カン、と響く二人分の足音が、静かな世界に木霊する。
先頭に立って錆びた鉄製の階段を上る女に、刹那は歩調を合わせて後ろに従った。

「……おまえは、」
「少し前まで、此処には沢山の者が住んでいました。でも、今はもう、誰も居ません」

振り返らずに、女は答えた。
沢山の高い建物に囲まれたこの場所は、今や彼女を残し人の気配を拭い去った死の街となっていた。
かつてロボット達が使っていたのだろう幾つもの建造物は例外なく金属の壁を腐食させ、屋根を腐らせ、倒潰しているものすらある。心を持った者が暮らすにはあまりにも寂しい、哀しい場所だった。

「此処は機械の部品を作る工場を中心に栄えていた街でした。だから、世界に滅びが蔓延る今、此処に居た誰もが自身の存在意義を失い、絶望して、街を出て行きました」

遥か空まで続く階段の、中腹辺りで女は足を止め、俯いてぎゅっと自身の手を握り締めた。

「でも、私は、逃げるのは嫌。逃げて逃げて逃げ続けて、そうやって朽ちていくのは、嫌、なんです」
だから。

女は、空を見上げた。建物が密集するこの地の中でも一際高い塔の、その頂上を仰いだ。
刹那もつられて視線を上げる。今にも倒れてしまいそうなその塔の頂上には、二本の柱と、それの頭同士を繋ぐ横に倒された鉄の棒があった。
それが何を意味するのか分からず、刹那は女に視線を戻す。
刹那の視線に気付いた女は、ふわりと微笑んだ。その笑顔を見た瞬間、胸の奥深く、暗い澱みに沈んでいたものを突かれたような、そんな心地になった。

「登って、みませんか」

刹那は、黙って頷いた。





最初はきちんと階段の形をしていたそれは、頂上に近付くにつれ、鉄板を貼り付けただけの階段とは呼び難い道になっていった。
それでも女は、慣れているのか、危なげなくその道を登っていく。
いつのまにか、視界を遮っていた建物の殆どが眼下へと落ち、遥か遠くまで見渡せるほどに視界が開けていた。
視界一杯に広がる空が、蒼い。

「世界は滅びに向かっているのに、どうしてこんなに美しいのかしら」

ふと、一人ごちるように、女は呟いた。
黒い髪が、風にさらわれ大きく広がる。その、青空と漆黒とのコントラストに、一瞬目を奪われた。

「朝日が昇るときと、夕日が沈むときは、もっと綺麗なんですよ」

女は、今度は刹那に向かって言葉を投げかけた。
薄い背中を隠す長い黒髪を見ながら、刹那は問う。

「おまえのやりたいことは、塔を作ることか?何のために?」
「鐘を鳴らすんです」
「鐘?」

二人は、塔の頂上に辿り着いた。
強い風にスカートの裾と髪を遊ばせるままに、女は二本の柱を繋いでいる鉄の棒を指した。

「鐘を造って、この塔に付けようと思っているんです」

此処に大きな鐘を付ければ、この強風に乗り、ずっと遠くまで音色が響き渡るだろう。
リンゴーン。リンゴーン。
女は空を仰ぎ、歌うように鐘の音を口ずさんだ。透き通った、綺麗な声だった。本物の鐘は、彼女の声よりもっと綺麗な音を奏でるのだろうか。

「鐘が高らかに鳴り響けば、皆、この世界にもまだ美しいものがあると気付くかもしれないでしょう?」

美しいもの。美しい世界。
この世には絶望しかないと蹲る人々は、鐘の音を聞くことで砂塵の大地の上に広がる澄んだ空に目を向けるのだろうか。
雲一つ無い、空恐ろしいほどに晴れ渡った蒼を見上げていた女は、やがて視線を刹那へと下ろし、またあの微笑みを浮かべた。

「貴方も、美しい」

違う。という言葉を、刹那は飲み込んだ。






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此処でぶつ切りイエーイ!(逃
 
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Posted on 2008/11/16 Sun. 00:01 [edit]

category: ガンダム00(セカンドシーズン)

thread: 機動戦士ガンダムOO  -  janre: アニメ・コミック

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