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手探り。

半ば絶チル感想ブログ。

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しゃりとろろ。 

この一週間、シャーリーとロロとルルのことを考えてはずーっと悶々としてました。
たった三十分未満の番組のせいで一週間のテンションが(例えネガティヴ方向にだとしても!)左右されるのって何だか素敵だなぁと思う私はイタい人間なんでしょうかね。

…というわけで、その悶々を少しでも発散するために、例のシーンに至るまでをシャーリーとロロのそれぞれの心境を考えながらひたすら文章でトレースしてみたり。
ちなみに、各所で色々と憶測が流れている様子ですが、私はロロが犯人でまず間違いないだろうなと考えています。違ってたらスマン、ロロ。
---


私はルルが好きで、好きで好きで好きで好きで仕方なくて。
学校にはルルが好きな女の子は沢山いるけれど、その誰にも負けないくらいに私の想いは大きいのだと、特別なのだと、そう信じていた。確信していた。
だって、私は、私は、殺せる。あの時だって私はそうした。ルルを守るためにヴィレッタ先生を撃った。
人を殺した重さは尋常じゃなくて、何度も何度もあの人が血に濡れた銀髪を揺らしながら倒れ伏すシーンが頭の中でフラッシュバックして、胃の中が空っぽになるまで吐いて、吐いて、あれはもう信じられないくらいに苦しくて。――それでも、私はもう一度銃を持つ。引き金に手を掛ける。あの苦味をもう一度引き受けることすら、今の私は厭わない。
だって私は、スザク君がすっとルルから目を逸らすところを見てしまったもの。そして、そんなスザク君を見たルルが、痛みを堪えるように俯く姿を見てしまったもの。
だめ、ルルがそんな顔をするなんて許せない。私は傍にいてあげる。決して一人ぼっちになんかさせはしない。
だから私が、ルルを苦しませるもの全てを取り除いてあげる。


---


路地に倒れ伏し、ぴくりとも動かない二人の警備員。
彼らが死んでいるのか気絶しているだけなのかすら、今のシャーリーには興味がなかった。ただ、この場で本当に何か尋常ではないコトが起こっているのだという事実と、傍らに転がっている銃の存在だけが、彼女にとっての重要事項だった。

「やっぱり、戦ってるんだ。一人で……」

スザクはルルーシュを認めていない。許せていない。これが『ゼロ』に関する騒動なのだとしたら、スザクはルルーシュを助けてはくれない。
だったら、私が。
落ちている一丁の銃を拾い上げる。懐かしい、一年ぶりの感触。掌に沈み込むような重み。
細い引き金を引くだけで、あっという間に人の命を散らせてしまう恐ろしい道具。だが、今はその簡易さがシャーリーを助ける。ただ平和な世界でぬくぬくと生きてきた非力な女でも、これさえあれば戦える。力になれる。守ることができる。
右手でしっかりと握り締め、ひやりとした引き金に人差し指を掛ける。一年前ではただ恐ろしいだけでしかなかったこの重量が、今はシャーリーに現実の重みを思い知らせ覚悟を促す。

(私は撃つ。ルルに手を出そうとする敵を撃つ。ルルの為なら、ルルが幸せになれる為なら、人殺しだって何だって……!)

それが悪行だと、シャーリーは微塵も思わなかった。いや、今の彼女の中からは、善悪の概念すら吹き飛んでしまっていた。あるのはただ、ルルーシュへの過剰ともいえる愛だけ。
ルルーシュが溺愛していたナナリーは、今、ルルーシュの傍には居ない。何故かは分からないが、皇女としてエリア11を束ねる総督になってしまっている。当然、ブリタニアへの反逆者であるルルーシュとは敵対している筈だ。
そして、自他共に親友だと認めていたスザクは、今、ルルーシュを憎んでいる。ナイトオブラウンズとなり、ブリタニアの武力の象徴として戦場を駆け、実際、本当にルルーシュと戦ったりもしているのだろう。
一年前、ブラックリペリオンまでのルルーシュは、この二人を本当に特別にしていた。自分なんかでは入っていけないとシャーリーが嘆息するくらいに、ルルーシュはこの二人に甘かった。そんな二人が、今はもうルルーシュの味方にはなってくれていない。傍に居てくれない。
そんなのは悲しい、あんまりだ。ルルーシュはあんなにも二人のことを大切にしていたというのに。

(取り戻さなくっちゃ……!)

シャーリーは煙の上がっている駅ビルに辿り着く。
素人ながらに銃を胸の前で構え、そっと中を覗き込む。
人気もなくしんと静まり返った中、上の階の方で微かに足音が鳴り響いているのが聞こえた。
ルル!と叫んでシャーリーは中に踏み込む。充満した煙が薄っすらと駅の中を覆っているが、毒性のものではない。彼女は構わず、上の階に続くエスカレーターを目指した。

(ルルが幸せになれないなんて許さない!ルルが皆から見捨てられるなんて許さない!ナナちゃんもスザク君も取り戻さなくっちゃ……!)

ルルーシュは幸せになるべきなのだと、シャーリーは心の底から思っていた。
不器用だけど優しくて、冷淡そうな態度の奥に一途で真っ直ぐな想いを隠し持っている、そんな愛しい彼が一人ぼっちで戦い続けるようなことなどあってはならない。

(それが例え駄目でも、ナナちゃんとスザク君がルルのやり方は駄目だと言ってしまったとしても、私は傍に居るよ、ルル。一人なんかにはさせない、傍に居る。愛してる、愛し続ける、世界中の誰よりも!)

エスカレーターを駆け上がり、改札を無視して柵を飛び越える。
耳を澄ましてルルーシュの所在を確認しようとするが、もう足音は聞こえない。何処のホールに行ってしまったのだろうか。
兎に角虱潰しに探していこうと一番ホールに向かおうとした彼女の前に、その人影は現れた。


---


ヘリで屋上からステーションに乗り込んだロロは、兄を探すべく駅内を奔走していた。
上の方の階は一通り探し尽くし、反対車線のホームに移ろうと改札前までエスカレーターを駆け下りていたロロは、そこに、鮮やかなオレンジの髪を見付けた。見付けてしまった。
その髪の持ち主が自分も良く知っている人物であると理解した瞬間、ロロの胸の内にザッとどす黒い不快感が広がる。

(あの女、何でこんな所にまで……!)

ロロは最近、シャーリーを見ると酷くイライラする自分に気付いていた。
この女が当たり前のようにルルーシュに微笑みかけるたびに、そして、そんなあの女の笑みに柔らかい視線を返すルルーシュを見てしまうたびに、胃がムカムカして、吐き気がする。

(人を殺す方法すら知らない馬鹿女が、こんなところに何の用だ……っ!)

ぎり、と無意識のうちに掌を強く握り締める。
ルルーシュに一種の独占欲を抱くロロにとって、ルルーシュの心を射止めつつあるシャーリーは邪魔者以外の何者でもなかった。日頃疎ましく思っていた存在が、こんな時に、こんな戦場に、一人きりでいる。胸の内の暗い感情が、その捌け口へとじわじわと染み出してゆく。
エスカレーターを降りた自分の足音に気が付いたシャーリーが、驚いて声を上げた。

「ロロ……!?」

だが彼女の顔に浮かんだのは、知り合いを見つけたことへの安堵ではなく、厳しい警戒の色だった。平和ボケした、ただの学生が浮かべるにはあまりにも苛烈な表情に、おや、とロロは思う。

「シャーリーさん?」

いつもの気弱な性格を装い、怯えたような声で名を呼んでみる。だが、それでも彼女の表情は緩まない。
何だろう、いつもの学校で呑気に笑っている馬鹿女とは何かが違う。警戒心が、頭を擡げる。
シャーリーは、真っ直ぐにロロを見据え、強い口調で問うた。

「答えて、ロロ。……貴方は、ルルが好き?」


---


「私は、ルルが好き。貴方は、どう?」

総督になったナナリーの代わりに学園に居た、ルルーシュの偽者の弟、ロロ。
彼が何者なのかは分からない。自分の記憶を書き換えて全てを偽者にしてしまった人間に組するものなのかもしれないし、自分のように記憶を書き換えられてただ利用されている子なのかもしれない。だがこの際、そんなことはどちらでも構わない。大切なのは、彼がルルーシュの味方なのか、どうか。
ロロの視線が、一瞬、私の持つ銃へと走る。だが彼は、私が銃を握っているということに警戒心を抱きはしても、銃の存在そのものには驚く様子も怯える様子も見せなかった。その反応だけで、彼がただの一般人ではないことが伺える。

(敵なら、撃つ)

相当の覚悟をもって、引き金に触れている人差し指にぐっと力を込める。
だがロロは、あっさりとこう答えた。

「好きだよ、たった一人の兄さんだもの」

その言葉には「今更何を言っているの、そんなの当たり前じゃないか」というニュアンスが込められていて、それが彼の本心であることをシャーリーは感覚で理解し、ほっと肩を撫で下ろす。
彼とルルーシュが、この一年間、とても仲の良い兄弟としての姿を見せ続けていたことも、シャーリーが彼を信じる根拠になった。

「貴方は味方なのね、良かった……」

このタイミングでこの場に現れたということと、銃を見ても動じなかったことから見て、きっと彼はルルーシュが普段学生としての生活の裏で何をしているのかも、今何が起こっているのかも把握しているのだろう。もしかしたら、彼もカレンと同じく黒の騎士団のメンバーなのかもしれない。

(騎士団に入れば、私にも何か出来る?ルルは全部教えてくれる?カレンみたいに、ロロみたいに、傍に居て守ることが出来るの?)

実際には、ロロは騎士団のメンバーではないし、カレンもゼロの正体を知った上で学園のルルーシュの傍らに居たわけではない。だが、今のシャーリーではそんなことは分からない。
意を決して、彼に告げる。

「お願い、私も仲間に入れて!私もルルを守りたいの!」

大好きな人を守りたい。一人にしたくない。幸せにしてあげたい。その想いの前には、ゼロが行ってきた殺人も父親の死のことすら遠く霞んだ。他の全てを凌駕する、ルルーシュへのひたすらな愛に突き動かされながら、シャーリーは懸命にロロに懇願する。
自分の訴えを聞くロロが、僅かに眉を顰め瞳に暗い光を宿したことにも気付かないまま。

「取り戻してあげたいの、ルルの幸せを!妹のナナちゃんだって、一緒に――!」

今のシャーリーは、ルルーシュのことで頭がいっぱいだった。ただ一所懸命にルルーシュのことを考えて、ルルーシュが愛するものと、ルルーシュ自身の幸せを考えて、考えて、考えて。
――だから、シャーリーは気付けなかった。
今目の前にいるこの小柄な少年が、普段シャーリーに見せている大人しく内気な態度からは想像もつかない危険人物であるということに。そしてもう一つ、『妹のナナちゃん』というその一言が、そのロロと二人きりで相対している今の状況において、最悪の失言であったことに。


---


『妹のナナちゃん』と、この女は確かにそう言った。
記憶を奪われているはずのこの女が、今、確かに、ナナリーはルルーシュの妹だと口にした。

「……戻ったんだ」
「え?」
「記憶、戻ったんだ。そっか、じゃあ、“駄目”だね」
「ロ、ロ?」

その低く据わった声に、シャーリーは漸くロロの変調に気付いた。だが、もう遅い。
さっきからベラベラと、何を勝手なことを言うんだろう。気に障って仕方がない。鬱陶しくて仕方がない。
守りたい?――こんな素人がしゃしゃり出てこなくても、僕が守ってるじゃないか。これまで何度も何度も兄さんを助けてきたのはおまえではなくこの僕じゃないか。
幸せを取り戻したい?――今の兄さんが幸せじゃないとでも言うつもりなんだろうか。僕が傍に居るのに、守っているのに、愛しているのに、それで兄さんが満たされていないとでも思っているのだろうか。
ああ、苛々する。邪魔だ。この女は邪魔だ。おまけに、どうやってか知らないが、この女は真実の記憶を取り戻している。任務にも、兄さんにも邪魔なイレギュラー。処分しなければならない。

(そう、処分してしまわなければ)

瞳に封じられた鳥が羽ばたく。
絶対の結界の中、有無を言わさぬ力で思考を停止させられた少女に、狂気を宿したロロが歩み寄っていく。

(そう、僕と兄さんの邪魔をするものは全て処分してしまわなければ)

シャーリーの手から乱暴に銃を奪い取ったロロの顔には、笑みすら浮かんでいた。
人を殺してはいけないというまっとうな価値観を生まれてこの方誰にも与えてもらえなかったロロは、知人の腹に銃を押し付ける行為にすら、欠片の罪悪感も抱かなかった。
全ては、ルルーシュの為に。いや、ルルーシュを渇望する他ならぬ自らの為に。
――だから、ロロも気付けなかった。
その行動が、ルルーシュの心を手に入れたいと願う自身の願望からは程遠い結果しかもたらさないであろうことに。

響き渡る鈍い銃声。
飛び散る赤。
己の体に起こった惨状に気付くことも出来ずに立ち止まっている少女。
それが、献身的なロロの姿に次第に嫌悪感を薄れさせつつあったルルーシュとの関係を粉々に砕きかねない、取り返しのつかぬ最悪の行いであったことに、ロロは最後まで無自覚なままだった。


 
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Posted on 2008/07/13 Sun. 00:14 [edit]

category: コードギアス(R2)

thread: コードギアス 反逆のルルーシュ  -  janre: アニメ・コミック

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