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手探り。

半ば絶チル感想ブログ。

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公式小説に卜部さんが出てこなくてちょっと凹んだ… 

データフォルダを漁ってたら見付けたC.C.によるルルーシュの為のルルC小話。サイトに載せるのが面倒くさいのでブログに晒してみる。C.C.の惚気が見たくて書いたんだと思う、確か。
それとついでに卜部さんを出したかった。一番最初に一期とR2の『違い』を見せてくれたキャラクターってことで個人的にかなり思い入れのあるお人だったりする。卜部さんかっこいいよ卜部さん。うぅ、何で死んじゃったんだ…。


あれの才能は特異。稀有。誰にも代わりが出来ぬほどに突出しており、誰しもに認められ求められる程に顕著。そう、誰にもあれの代理は出来ない。気の遠くなるような時間を生きてきたこの私ですら、あれに代わることはできないのだ。
だから私の役割は、あれがすんなり戻ってこられる環境を黒の騎士団の中に作ること。かつてあれに裏切られたことで敗北に打ちひしがれた日本人達に、それでもやはり自分達にはあれが居ないと駄目なのだと思わせること。強く、強く、彼らの身にこれでもかというくらいに刻み付けること。
私はあれほど口が達者なわけではないが、それでも上手く立ち回る自信はある。伊達に長く生きてはいない。なかなかに神経を使う作業だが、全てはあれを取り戻すまでの辛抱だ。
仕込みは順調。漸く、残った団員らが一致団結してあれを取り返しに行こうと算段するまでに漕ぎ着けた。計画の場所も、日取りも決まった。手配も整いつつある。
もうすぐだ。
もうすぐあれが、ここに帰ってくる。
ここに、――私の隣に。

「ルルーシュ」

さあ早く帰ってこい。
おまえは私の共犯者。おまえの居場所はここなのだから。


---


「じゃあ、行ってくる」

いつもは四方に跳ねている癖の強い髪を真っ直ぐに押さえつけ、身なりを整えたカレンが卜部に告げる。

「すまんな、カレン」
「いいの。私が決めたことだから」

カレンは一足先にバベルタワーに潜入する手筈になっていた。ブリタニアに使われるイレヴンの奴隷を装って。プライドの高いカレンには屈辱的な役であろうに、彼女は自ら進んでその役目を引き受けた。半分は日本と母の為。そして半分は、ゼロへの想いとルルーシュへの嫌悪でごちゃごちゃになってしまった自らの心の為に。

「話がしたいの。あいつと、話が。せめて、もう一度だけでも」

瞳に強い決意を宿し、ぎゅっと鞄を握り締める。
一年前、カレンがあの神根島であれの何を見たのかは分からない。様々なものを隠し持つあれのどこまでを知ったのかも分からない。だた、カレンはあれを拒絶するのではなく向き合って話し合うことを選んだ。ならばもう大丈夫だろう。後はあれがきっと上手くやる。カレンはこの弱体化した黒の騎士団に、――いや、全盛期の頃の団においすら、なくてはならないエースパイロットだったのだから。
だが、念のためにもう一押し。

「いってこい、カレン」
「……C.C.」
「あれは嘘つきで狡賢い男だが、少なくとも”どうしようもない人間”などではないことは私が保証する。顔を見て、目を見て、あれの本質を見極めてこい」
「……」

カレンは数瞬黙って目を伏せたが、複雑そうな顔はそのままに、やがて何も言葉を返すことなくアジトを出て行った。
カレンの背が見えなくなった頃に、彼女を目で見送っていた卜部が私を振り返る。

「C.C.」
「なんだ」
「この作戦で、ゼロは本当に戻ってくるのか?」
「無論だ。私があれと接触する機会さえあれば、あれは必ずここに戻ってくる」

未だに不安の色を残す卜部に、私はきっぱりと断言する。
記憶が封じられても、過去が思い出せなくなっても、あの男の本質はきっと変わらない。何もしない人生なんか意味がないと、動かない人間は屍と同じだと、妖しい微笑みと共に謳い上げたあの男の芯はきっと揺らがない。
絶対の自信をもって言い切る私に、「分かった」と卜部は素直に頷いて瞳に映っていた疑惑の色を消した。
どんな手段を用いてあれを取り戻そうとしているのかを、私は誰にも伝えていない。どうせ伝えたとしても誰も理解できないのだし、と、「兎に角私に任せろ、私だけがあれを取り戻せる」の主張で押し通した。故に、一番肝心なところをぼかされた卜部らがこの度の作戦に対し不安不満を抱くのは当然だろう。が、私があまりにも自信満々に言い放つものだから、結局どうやら私の言葉に賭けることにしてくれたらしい。
そもそも、他に手段がないのだ。卜部は頭の悪い人間ではないし、何よりも日本の再興を願う本物の意思を持っている。だからこそ、己の願いの為にはあれに頼るしかないのだということを正確に理解しているのだろう。

「……もうじきだな」
「ああ……」

カレンや卜部ら、この作戦に参加する騎士団の残党達は、自分達の身体を盾にしてでもあれを取り戻す覚悟で作戦準備に臨んでいた。命を賭す覚悟。今騎士団員の空気を支配しているその悲しくも猛々しい信念の強さは、ここ最近の卜部らの顔を見れば一目瞭然だった。
だが、私は、私だけがその空気に馴染めていない。浮き立ち、孤立している。それは、私が遠い過去に置き去りにしてきてしまったものなのだから。

「C.C.、……俺にもしものことがあった時は、ゼロを頼む」
「……」
「おまえなら、指揮官の俺の代わりも――」
「私にはおまえの代わりなど出来ない」

卜部の遺言めいた言葉を即座に遮る。
謙遜でも慰めでもない。事実だ。私では、本物の覚悟を宿した”有限”の人間の代わりにはなれない。命を燃え上がらせる人間の輝きというものが、私にはとっくに失われてしまっていた。

「黒の騎士団にとって、おまえは居なくなっても良い存在ではない。おまえが居なければこの作戦に参加する日本人の数は半分以下になっていただろう。これだけの人員を集めることが出来たのはおまえの人望、力だ。――私では無理だった」

卜部は驚いたような顔で私をまじまじと見て、やがて厳しい面持ちをやや崩した。

「……適材適所というヤツだな。分かった、ゼロが戻るまで団員のことは俺に任せろ。だから、C.C.はゼロを必ず取り返してくれ。――それがおまえにしか出来ないこと、らしいからな」

今度は私が驚いて卜部の顔を見上げる番だった。ニヤリと笑む卜部の顔を見ているうち、自然と唇の端が僅かに持ち上がるのを感じる。

「……ふ、そうだな。私とあれは唯一無二の『共犯者』なのだから」

そう、だから、あれを取り戻すのは私だ。あれの全てを知っているのは、あれが溺愛しているナナリーでもなく、あれを慕いつつ憎んでいるカレンでも、あれに密かにずっと想いを寄せ見つめ続けてきたシャーリーとやらでもない、私だけ。唯一人、私だけなのだから。
――ああ、でも、本当はこのままの方が良いのかもしれない。そう思う自分も確かにいる。殺し殺されの世界の中に引き摺り戻すよりも、箱庭の中の平和の方が幸せなのではないかと。
だがそれを選ばないのは、私がそれを望まないから。契約の為に、共犯者としての自分の為に、最早その選択肢を選べなくなってしまったから。そして何より、このまま放置しておけば間違いなくあれが怒るだろうな、という強い確信があるからだ。辛く苦しい茨の道でも、あれは自らの足で進まなければ絶対に気の済まない男なのだから。

「しかし、全くあれはつくづく世話の掛かる若造だ」
「はは、君にかかればあのゼロさえも若造になってしまうんだな」

笑う卜部に、私は肩を竦めてみせる。
その言葉は単に私の老成したような言動を揶揄したのだろうが、私に言わせれば逆だ。確かに私の実年齢があれの歳を遥かに凌いでいるのは事実だが、それ以前に。

「おまえも実際に顔を見れみれば分かるさ。あれはある意味、ただのガキだよ」

外見も、中身もな。

「まぁ、人間なんて皆そんなものなのかも知れんがな」

最後にそれだけ言い捨てて、若干戸惑い顔の卜部に背を向けた。
これでもそこそこ忙しい身なのだ。

「何処へ?」
「仕込みだよ、今度の作戦に向けて」
「仕込み?無頼の整備なら俺も……、」
「違う。帰ってきたあれへの特製プレゼントだ。少しでも選択肢を増やしてやる為に、な」

あれの暴走したギアスへのフォローは私が行ってやらねばならない。一年前のブラック・リペリオン時と違って、今回は前準備の為の充分な猶予があった。
これで、万端の準備をしてやれる。


---


卜部と別れた私は、アジトの奥、宛がわれていた一室の扉を開く。
ちなみに、この部屋は他の団員らが使っている部屋よりもややゆとりのある広さになってる。部屋割りについては特に私から口を出した覚えはないが、どうやら団員達は私のことを別格な存在として、どこか恐々と扱っているらしい。誰かと相部屋にされても文句は言わないつもりだったが、これならこれで好都合だ。
きっちりロックをかけてから、簡素な造りの机に歩み寄り、おもむろに引き出しを引いて手を奥に突っ込んだ。カモフラージュの為に手前に書類の束を置いておいた引き出しの最も奥に潜ませた、指先に触れた硬い感触のそれを引っ張り出す。
何のことはない、ただの小箱だ。プレゼント用の小ぶりの指輪なんかが入っていそうな、洒落た小箱。だが、中に納まっているのは薄い薄いレンズだ。あれの不思議な瞳の色に合わせた、能力遮断用のパープルのコンタクトレンズ。
一年前、これでもう皆とはお別れか、と酷く寂しげに呟いたあれの顔を思い出す。

(――これでまた学校に戻れるぞ、ルルーシュ)

無論あれは『学校に戻る』という目的の為だけにコレを使用することはないだろう。そこまで自分に甘い男ではない。だが情報収集や潜入の為にも、可能性は与えてやった方が良い。そしてその過程で、あれが少しでも心を安らげることが出来るのなら――。
そこまで考えて、ふと自嘲する。

「……いつの間に、こんなに甘くなってしまったのやら」

最早、損得勘定抜きであれのことを思っている自分がいることを、私は否定しない。
あまり認めたくはないが、これまでも多々あったことだ。不必要なまでに契約者に入れ込んで、優しくして、感情移入して、その結果である破滅の果ての喪失を繰り返して。そして今回も、今度は繰り返さないと心に決めてきたというのに、「ありがとう」のたった一言であえなく陥没してしまって。

(全く、情けないのはこの私の方だ)

だからもう、私は諦めた。こうなったらとことんまで行ってやる。この先どがうなるかは分からないが、少なくとも今回のルルーシュの件に関しては、出来うる限り足を突っ込んでみてやろう。マオのようにそれで破滅するほど可愛らしい男でもないのだし、むしろそうやって心の赴くままに肩入れした先に待っているであろう結果にも少し興味がある。

「さあ、もうすぐだ」

刻一刻と迫ってくる、偽りの崩壊の時間。嘘で塗り固められた箱庭の楽園は魔女のキスで崩れ去る。ゼロは再び世界に降臨し、その傍らには、私が。
また会える。隣に立てる。一緒に進んで行ける。そう思うだけで高揚する自分の心を否定したりはしない。あれの苦しみも痛みも、私が、隣で、感じていてやる。今度こそ、絶対に一人にしない。傍に居る。
だから一緒に行こう、ルルーシュ。きっとそれは想像以上に惨たらしい道なのだろうけれど、私は何時だって傍に居るから。折れそうになったら抱き締めてやるから。

だから、だからずっと、私と、一緒に――。


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Posted on 2008/06/19 Thu. 23:04 [edit]

category: コードギアス(R2)

thread: コードギアス 反逆のルルーシュ  -  janre: アニメ・コミック

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